おおぞら号は、JR北海道の札幌~釧路間を、函館本線・千歳線・石勝線・根室本線を経由して結ぶ特急列車です。札幌~南千歳間は電化されていますが、それ以外の区間が非電化のため、ディーゼル特急車両のキハ283系気動車・キハ261系気動車が使用されています。
概要
特急おおぞらの走る区間は、カーブが多い山岳区間を多く走るため、速度制限を受け、運転時間の短縮に支障をきたすことから、振り子式の283系気動車を使用して、スピードアップが図られました。一時期は最高速度130km/h運転をして、札幌~釧路間で3時間30分台で到着していましたが、2011年にスーパーおおぞら14号の脱線・火災事故等、事故が多発し、厳しい自然条件で酷使されたことも要因で、車両と線路のメンテナンスコストを抑制するため、現在は110km/h運転になっています。
使用される車両は、283系気動車と261系気動車で、全列車に連結されるグリーン車は3列シートです。基本的には6両編成で運転され、自由席も設定されています。多客期には、車両が増結されることも多いです。
主な停車駅は、札幌-新札幌-南千歳-追分-新夕張-占冠-トマム-新得-十勝清水-芽室-帯広-池田-浦幌-白糠-釧路です。
以前は、夜行の列車も設定されていましたが、現在では同区間の夜行列車は設定されていません。
距離・所要時間・料金
※料金は、大人1名分の通常期料金で記載しています。子ども料金は、大人の約半額です。詳細はJR/高速バス各社のHPにて確認してください。
JR北海道を走る特急列車の指定席特急料金は、閑散期・繁忙期での料金変更はありません。
主な区間 | 距離 (営業キロ) | 所要時間 | 自由席 | 指定席 | グリーン席 |
札幌~釧路 | 348.5km | 約4時間 | 9,460円 | 9,990円 | 13,650円 |
札幌~池田 | 244.4km | 約2時間40分 | 7,700円 | 8,230円 | 11,890円 |
札幌~帯広 | 220.2km | 約2時間30分 | 7,260円 | 7,790円 | 11,450円 |
お得な料金
えきねっと割引
えきねっとはJR東日本のサービスですが、JR北海道の特急列車の切符も販売されています。会員限定ですが、列車・席数・区間が限定された、インターネット予約限定でえきねっと割引の切符があります。
特急おおぞらでは、乗車日当日午前1:40まで予約できる「えきねっとトクだ値」では15%or40%割引されるので、空席があるか確認するのをお勧めします。
さらに、札幌市内~釧路間では、早期に予約した場合に、座席数限定で「お先に特だ値」が50%割引で設定されています。「お先に特だ値」は、通年では設定されず、2020年は3月14日(土)~6月30日(火)と9月1日(火)~11月30日(月)に運転分のみ発売される予定です。詳細はえきねっとのページを参照してください。
割引切符名 | 割引率 | 発売期間 | 札幌(市内)~帯広 | 札幌(市内)~釧路 |
えきねっとトクだ値(乗車券付き) | 15% | 乗車日当日の午前1:40まで | 6,610円 | 8,480円 |
えきねっとトクだ値(乗車券付き) | 40% | 乗車日当日の午前1:40まで | 4,670円 | 5,990円 |
お先にトクだ値(乗車券付き) | 50% | 乗車日13日前の午前1時40分まで | – | 4,990円 |
通常指定席 | – | 発車時間まで | 7,790円 | 9,990円 |
その他の交通機関
国内線航空便
新千歳空港~釧路空港はANAが1便、丘珠空港~釧路空港間はANAとJALが多数の便を運行しています。を所要時間はどちらも45分で、正規料金は片道22,500円程度です。格安航空券では、最安値で13000円台の日からありますが、料金では特急列車を利用したほうが安くいくことができます。
高速バス
札幌~釧路間には、北海道中央バス・くしろバス・阿寒バスが運行するスターライト釧路号と、北海道バス・北海道中央バスが運行する、ニュースター釧路号があります。どちらも夜行便を含む1日5便ずつ合計10便運行していて、昼行便では札幌~釧路で片道5時間ほどかかるため、時間的なメリットはありませんが、料金は両便とも札幌釧路間で5,880円です。
どちらも時間の面では特急列車にかないませんが、目的地近くにバス停がある場合や料金面では、メリットがありそうです。
歴史
1961年 特急おおぞらが、函館〜旭川間で運転開始(岩見沢・滝川経由)
1962年 特急おおぞらに、函館〜釧路間の列車もできる
1967年 旭川発着の列車を別として、特急おおぞらは函館〜釧路間で運転される列車になる
1981年 石勝線南千歳(当時の千歳空港)~新得間開業により、特急おおぞらが石勝線経由に変更される
1986年 全列車が札幌発着となり、函館発着列車はなくなる
1990年 札幌~帯広間の列車を特急とかちに分離
1993年 夜行急行まりもをおおぞらに編入し、夜行のおおぞらが登場(現在は終了)
1997年 キハ283系気動車を投入し、スーパーおおぞらとして運転開始
2013年 事故が多発したことから、130km/h運転を終了
2020年 キハ261系気動車を投入。全列車スーパーおおぞらをおおぞらに統一