「北斗」号は、JR北海道の札幌~函館間を、函館本線・室蘭本線・千歳線経由で結ぶ特急列車です。函館~新函館北斗間と、札幌~東室蘭間は電化されていますが、それ以外の区間が非電化のため、ディーゼル特急車両の281系気動車・261系気動車が使用されています。
概要
一時期は、130㎞運転を行い、函館~札幌間3時間を切る列車も設定されていましたが、現在では3時間30分程度~4時間程度で運転されています。
全列車で連結されるグリーン車は、1列が2+1席配置で、最新の261系では、豪華な革張りリクライニングシートの仕様になっています。2022年度には、全列車がこの261系に置き換えられる予定です。
自由席も全列車で連結されています。
車内販売は以前は行われていましたが、2019年3月以降は終了して行われていません。
主な停車駅は、札幌-新札幌-南千歳-苫小牧-白老-登別-東室蘭-伊達紋別-洞爺-長万部-八雲-森-新函館北斗-五稜郭-函館です。
北海道新幹線開業に伴い、全列車が新函館北斗に停車するようになり、ほとんどの列車が新幹線のダイヤに接続しています。
特急北斗 | |
運行区間 | 札幌~函館 |
使用車両 | 281系気動車・261系気動車 |
最高速度 | 120km/h |
通過線区 | 函館本線・室蘭本線・千歳線 |
距離・所要時間・料金
※料金は、大人1名分の通常期料金で記載しています。子ども料金は、大人の約半額です。詳細はJR/高速バス各社のHPにて確認してください。
JR北海道を走る特急列車の指定席特急料金は、閑散期・繁忙期での料金変更はありません。
北海道新幹線から乗り換えて利用する場合は、乗り継ぎ割引が適用されるため、以下の料金より安くなります。そのため、新幹線の切符とあわせて購入されることをお勧めします。
主な区間 | 距離 (営業キロ) | 所要時間 | 自由席 | 指定席 | グリーン席 |
札幌~函館 | 318.7km | 約3時間30分 | 8,910円 | 9,440円 | 13,100円 |
札幌~新函館北斗 | 300.8km | 約3時間10分 | 8,910円 | 9,440円 | 13,100円 |
札幌~長万部 | 206.4km | 約2時間 | 6,930円 | 7,460円 | 11,120円 |
札幌~洞爺 | 164.9km | 約1時間50分 | 5,830円 | 6,360円 | 8,630円 |
札幌~東室蘭 | 129.2km | 約1時間20分 | 4,690円 | 5,220円 | 7,490円 |
函館~東室蘭 | 189.5km | 約2時間20分 | 6,270円 | 6,800円 | 9,070円 |
函館~苫小牧 | 247.5km | 約3時間 | 7,700円 | 8,230円 | 11,890円 |
お得な料金
えきねっと割引
えきねっとはJR東日本のサービスですが、JR北海道の特急列車の切符も販売されています。会員限定ですが、列車・席数・区間が限定された、インターネット予約限定でえきねっと割引の切符があります。
乗車日当日午前1:40まで予約できる「えきねっとトクだ値」では15%or30%割引されるので、空席があるか確認するのをお勧めします。
割引切符名 | 割引率 | 発売期間 | 札幌(市内)~函館・新函館北斗・五稜郭 |
えきねっとトクだ値(乗車券付き) | 15% | 乗車日当日の午前1:40まで | 8,010円 |
えきねっとトクだ値(乗車券付き) | 30% | 乗車日当日の午前1:40まで | 6,590円 |
通常指定席 | – | 発車時間まで | 9,440円 |
その他の交通機関
国内線航空便
新千歳空港~函館空港間をANAが、丘珠空港~函館空港間をJALが運行しています。所要時間は40-45分ですが、空港から目的地までの区間でバス等を利用することになるため、その点も考慮すると、所要時間は特急列車と大差はなさそうです。料金は早割を利用すれば、8000円前後から予約可能な日もありますが、前後のバスの料金も加味すると、料金でも特急列車と変わりません。
高速バス
札幌~函館間の高速バスは、北海道バスの運行するニュースター号と、北斗交通が運行する高速はこだて号があります。
どちらも1席独立3列シートトイレ付の車両で運行されており、所要時間は札幌駅~函館駅で4時間40分程度です。夜行便も設定されています。
ニュースター号は、すすきの・大通り・札幌駅・三井アウトレットパーク
札幌北広島(一部のみ)~新函館北斗駅・五稜郭駅・函館駅・函館アリーナ・湯の川温泉・上湯川などに停車します。
高速はこだて号は、札幌駅・大谷地駅~新函館北斗駅・五稜郭駅・函館駅・湯の川温泉などに停車します。
どちらも時間の面では特急列車にかないませんが、目的地近くにバス停がある場合や料金面では、メリットがありそうです。
歴史
1961年 特急おおぞらが、函館〜旭川間で運転開始
1962年 特急おおぞらに、函館〜釧路間の列車もできる
1965年 特急北斗が、函館〜旭川間で運転開始
1967年 特急北海が、函館〜旭川間を、ニセコ・小樽・札幌経由で運転開始
1972年 函館〜旭川間運転の列車はおおぞらに集約され、特急北斗は現在と同じ函館〜札幌間になる
1981年 特急おおぞらが札幌駅で別の列車に分割され、函館〜札幌間は北斗になる
1988年 北斗の一部列車で、120km/h運転開始
1994年 現在も使用されている、キハ281型気動車がスーパー北斗として投入され、130km/h運転を開始。函館〜札幌の最速が3時間を切る
1998年 一部列車に、130km/h運転可能なキハ283型気動車を投入
2013年 283型気動車の使用を終了し、最高速度は120km/h運転になる
2016年 北海道新幹線新青森〜新函館北斗開業。特急北斗の全列車が新函館北斗に停車し、ほとんどの列車が新幹線と接続する。また、キハ261型気動車が投入される
2020年 全列車を「北斗」に変更(スーパー北斗の廃止)