特急ワイドビュー伊那路号は、豊橋駅から飯田線の飯田駅までを結ぶ特急列車です。飯田線は愛知・長野県を天竜川の谷あいにそって走る山岳路線で、豊橋〜飯田間は並行する高速道路もないため、自家用車以外で沿線へアクセスするには、ワイドビュー伊那路号は大事な役割を果たしています。
途中の停車駅は、豊橋駅-豊川駅-新城駅-本長篠駅-湯谷温泉駅-中部天竜駅-水窪駅-平岡駅-温田駅-天竜峡駅-飯田駅です。
概要
ワイドビュー伊那路号は、グリーン車を連結しない373系3両編成で運転されていて、この車両はワイドビューふじかわ号にも利用されています。一部車両には、4人がけコンパートメント(簡易個室)の指定席も設定されています。
豊橋駅から飯田駅の全てが飯田線内での運転です。そのうち、豊橋〜平井信号場間は、名鉄(名古屋鉄道)名古屋本線と線路を共有しているため、名鉄特急とワイドビュー伊那路がすれ違うこともあります。
飯田以北は中央道と並行する区間のため、名古屋・東京方面へ向かうには、高速バスが多く使われていますが、飯田以南は高速道路と並行していないため、山岳路線でスピードは早くありませんが、鉄道がメインのアクセス手段になっています。
途中停車駅には、湯谷温泉・水窪・中部天竜・天竜峡など、観光客の利用が多い駅もあるため、行楽利用の方も多く利用されます。
特急伊那路 | |
運行区間 | 豊橋〜飯田 |
使用車両 | 373系 |
最高速度 | 85km/h |
通過線区 | 飯田線 |
距離・所要時間・料金
※料金は、大人1名分の通常期料金で記載しています。子ども料金は、大人の約半額です。詳細はJR/高速バス各社のHPにて確認してください。
指定席特急料金は、閑散期では200円引き、繁忙期では200円増しになります。
主な区間 | 距離 (営業キロ) | 所要時間 | 自由席 | 指定席 | グリーン席 |
豊橋〜中部天竜 | 62.4km | 約1時間10分 | 2,370円 | 2,900円 | – |
豊橋〜天竜峡 | 116.2km | 約2時間20分 | 4,170円 | 4,700円 | – |
豊橋〜飯田 | 129.3km | 約2時間30分 | 4,500円 | 5,030円 | – |
豊川〜飯田 | 120.6km | 約2時間20分 | 4,170円 | 4,700円 | – |
他の交通機関
高速バス 名古屋〜飯田線
名古屋〜飯田の高速バスは、信南交通と名鉄バスが共同で運行しています。名古屋の名鉄バスセンター・栄(オアシス21)※一部便のみから、中央自動車道を経由して、多治見・土岐・瑞浪天徳・恵那・馬込・園原・昼神温泉・阿智・駒場・伊賀良を経由して、飯田駅・飯田商工会館までを1時間50分程度で走っています。名古屋〜飯田の料金は片道¥2,600です。名古屋〜飯田を通しでいく場合は、東海道新幹線と特急伊那路を乗り換えて利用するよりも、バスの方が安く早く到着できます。
一方で、特急伊那路の途中停車駅の、中部天竜や天竜峡などへの観光地へのアクセスは、高速バスが走っていないため、特急伊那路か自家用車のみになっています。
現在、中央道の飯田山本ジャンクションから、新東名自動車道の浜松いなさジャンクションに至る南北に貫く三遠南信自動車道(高規格幹線道路)が建設中で、これが開通すると、特急伊那路に並行して高速バスが運行されることがあるかもしれません。
歴史
1966年に急行「伊那」として名古屋〜辰野間(東海道線・飯田線経由)で運転開始。一時期は6両編成の列車で4往復が運転されていましたが、中央道開通の影響もあり、1983年に廃止されました。
JR化後の1996年に特急「伊那路」として、それまで臨時列車で休日のみに運転されていた急行「伊那路」を格上げして豊橋〜飯田間で運行開始。特急化後も一時期は4往復運転されていましたが、本数は削減され今に至ります。
沿線のおすすめ宿泊施設
天竜峡
天竜峡は、国の名勝に指定されていて、天竜奥三河国定公園の一部となっています。諏訪湖から太平洋に向かって流れる天竜川の急流を下る天竜ライン下りも楽しめます。
下條温泉 静かなお宿 加賀美
奥天竜不動温泉 佐和屋
飯田
飯田市は、長野県の南部南信地方の中心都市で、元々は飯田城の城下町として発展しました。現在建設中の中央リニア新幹線の駅が飯田市に建設される予定です。
天空の城 三宜亭本館
昼神温泉
昼神温泉は美肌の湯とも言われ、昭和40年代にトンネル掘削中に湧いてきて利用されるようになったと言われています。
昼神温泉のある長野県下伊那郡阿智村は、星空が美しく見えることも売りにしています。
飯田駅からは、信南交通バスで40分ほどのところにあります。