成田エクスプレスは、池袋・新宿・横浜などと成田空港を結ぶ、JRの空港アクセス特急です。多くの列車は、池袋(新宿)発着と大船(横浜)発着の2方面で、両方の列車は横須賀線・総武快速線の東京駅で併結されて成田空港へ向かいます。
一部の成田エクスプレスは、池袋から先を湘南新宿ライン経由の大宮発着列車や、新宿から中央快速線経由で八王子・高尾発着の列車も設定されています。
一時期は、訪日外国人客(インバウンド)の需要に応えるべく、中央本線から富士急行に乗り入れて、富士山・河口湖に至る列車も設定されていました。河口湖行きの乗り入れ特急は、2019年に設定された特急「富士回遊」にその目的を引き継ぎ、成田エクスプレスの河口湖乗り入れは終了しました。
成田エクスプレスは、通称N’EX(ネックス)とも呼ばれることがありますが、これはNarita Expressからつけられたもので、車体にもN’EXと記載されています。
概要
特急成田エクスプレス | |
運行区間 | 大船・横浜・品川・大宮・池袋・新宿・高尾〜成田空港 |
使用車両 | E259系 |
最高速度 | 120km/h |
通過線区 | 総武本線、成田線、横須賀線、湘南新宿ライン |
距離・所要時間・料金
※料金は、大人1名分の通常期料金で記載しています。子ども料金は、大人の約半額です。詳細はJR/高速バス各社のHPにて確認してください。
主な区間 | 距離 | 所要時間 | 指定席 | グリーン席 |
東京〜成田空港 | 79.2km | 約1時間 | 3,070円 | 4,640円 |
池袋・新宿・渋谷〜成田空港 | 新宿から 96.6km | 新宿から 約1時間20分 | 3,250円 | 4,820円 |
横浜〜成田空港 | 110.9km | 約1時間30分 | 4,370円 | 5,940円 |
お得な切符
N’EX往復きっぷ
成田空港までの設定された区間を往復で利用する場合に、前日までに駅の指定席券売機で購入することができる切符です。
当日は購入できないことと、復路の利用日が、往路から14日以内であることが必要です。なお、成田空港・空港第二ビルへ向かう往復切符になるので、成田空港駅・空港第二ビル駅では発売されていません。
下記の料金は、普通車指定席のものですが、グリーン車用のN’EX往復きっぷも設定されています。
割引切符名 | 発売期間 | 東京・渋谷・新宿(都区内)〜成田空港・空港第二ビル | 横浜(市内)・高尾〜成田空港・空港第二ビル | 武蔵小杉・大宮〜成田空港・空港第二ビル |
N’EX往復きっぷ | 乗車日前日まで | 5,030円 | 6,280円 | 5,240円 |
通常指定席 | 発車時間まで | 6,140円 東京 | 8,740円 横浜 | 6,840円 武蔵小杉 |
えきねっと割引
えきねっとの会員限定されますが、列車・席数・区間が限定された、インターネット予約限定の切符です。
下り方面の夕方以降の時間帯の列車で、東京・品川→武蔵小杉・横浜・戸塚・大船と、渋谷・新宿・池袋→大宮と、渋谷・新宿→吉祥寺・三鷹・国分寺・立川・八王子・高尾の指定席特急券のみが35%割引で販売されます。乗車券はついていないため、別途購入するか、Suicaや定期券と併用しても使うことができます。普通列車のグリーン券と大差ない金額のため、通勤帰宅目的で利用する場合におすすめですが、残念ながら空港アクセス目的の方には、区間的に利用することは厳しそうです。
割引切符名 | 東京・品川→武蔵小杉・横浜・戸塚・大船 | 渋谷・新宿・池袋→大宮 | 渋谷・新宿→吉祥寺・三鷹・国分寺・立川・八王子・高尾 |
トクだ値35 | 830円 | 830円 | 830円 |
歴史
1991年に、JRと京成線の成田空港駅への延伸・空港ターミナル乗り入れとともに、運行を開始しました。それまでは、京成電鉄がターミナルビルとは少し離れた場所にある旧成田空港駅へ運行しており、そこからバスで空港ターミナルビルに向かうか、都心と空港を結ぶリムジンバスで向かうかでしたが、空港ターミナルビルに乗り入れたことによって、成田空港のアクセスは一段と便利になりました。なお、この時開業した路線の一部は、もともと成田新幹線(仮)として、成田空港〜東京駅を結ぼうと計画されていたにも関わらず、日の目を見なかった路線の一部を使用しています。
運行開始時には、今と同じく赤と白のカラーリングで登場した253系が使用されてきました。
2010年から、基本的なカラーリングは変わらず、現在のE259系に置き換えられました。